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「六大学野球の誇りを胸に」早大野球部・小澤周平主将

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「六大学野球の誇りを胸に」早大野球部・小澤周平主将

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今回は5月31日に発行した「早慶野球(春)号」の中から、早大野球部の小澤周平主将の記事を取り上げます!

 今年結成100周年を迎えた、東京六大学野球連盟。その歴史は、6校がそろい踏みした1925年以降、学生野球の聖地・明治神宮野球場(神宮球場)と共に歩みを進めてきた。そして2025年、連盟最多48回の優勝を誇る早大の第115代主将を務めるのは、小澤周平(スポ4=群馬・健大高崎)。伝統の重み、そして3連覇へのプレッシャーと戦いながら、優勝を目指し奮闘する思いを語った。

 「東京六大学野球の誇りを胸に。一投一打に魂を捧げることを、ここに誓います」。神宮球場に小澤の選手宣誓が力強く響き渡り、100年目の東京六大学野球が幕を開けた。伝統ある早大、さらにはメモリアルイヤーでの主将拝命。これまで歴史を紡いできた先人への敬意を表し、堂々と大役を全うした。そんな注目度の高い今季、早大には18年ぶりの3連覇もかかっている。開幕前に「負けてはいけないというプレッシャーを感じる」と明かしていた通り、主将にのしかかる重圧は並大抵のものではなかった。

 昨年12月の就任当初から、小澤は今季のテーマに走塁改革を掲げていた。春秋連覇を成し遂げた昨年の強みの一つは、吉納翼(令7スポ卒=現・楽天)らを擁する強力打線。彼らがチームを去った後の早大打線を見て、小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)は「戦力的に小粒になったというのは否めない」と評価していた。打力で劣る中、どのようにして点を奪うのか。そこで小澤が目を付けたのが、走塁だった。今季の早大には「足を使える人が多いので」と言うように、俊足の選手が多くラインアップに名を連ねている。さらには、出身である健大高崎高の代名詞「機動破壊」の姿勢が生きた。それまでは短い時間しか行っていなかった走塁練習を強化し、自身が高校で学んできたことを早大ナインに落とし込んでいった。

 練習を積み重ねて迎えたリーグ戦、早大は文字通り塁上をかき回していった。東大戦の2試合では計16盗塁と走りまくり、4カード11試合を終えてチーム盗塁数は26個と断トツ。他にも「(盗塁を)仕掛けない時にどれだけランナーを意識してもらうかが大切」とし、どの選手もリードを1歩大きく取るなど相手投手の気を引くことを意識させた。その結果、打者は狙い球を絞りやすくなり、チーム打率と得点数は共に昨季から向上。自身も、自己最高の打率3割4分8厘と好調を維持している。小澤の目指した野球は、着実にチームに根付いてきた。

 「勝ち切れる試合を勝ち切れない」。ここまでの戦いを終えて、小澤はこう振り返る。走塁改革については一定の評価をしつつも、「まだチームに弱さがあるのではないかなと思う」と現状を分析。1敗が命取りになり得るリーグ戦で、序盤のリードを守り切れない手痛い逆転負けを何度も喫してきた。それでも、最終週・早慶戦を前にした現在の順位は2位。賜杯防衛へ、まだ巻き返しのチャンスは残されている。慶大は昨秋に2連敗を喫して胴上げを阻止された因縁の相手だ。優勝のためには2連勝が絶対条件。「圧倒して勝ちたいと思います」。次の100年へ、新たな歴史に花を添える勝利をつかみ取る。

(記事 西村侑也)

◆小澤周平(おざわ・しゅうへい) 2003年(平15年)7月26日生まれ。172㌢、74㌔。群馬・健大高崎高出身。スポーツ科学部4年。内野手。右投左打。自力優勝が消滅していた第7週時点では、寮のごみ拾いをして早大の優勝を願っていたそうです!

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