はじめに
「商店街の会議に参加しませんか?」
そう聞くと、「経営者向けの集まりかな」と思う人も多いのではないでしょうか。今回、ガクコエ!編集長の織田は副編集長の松本君と共に、横浜・弘明寺で行われている「GBS(弘明寺ビジネスストリート)」の向上会に参加しました。
商店主や大学生、金融機関、行政関係者が一つのテーブルを囲み、「まちの価値」をテーマに対話するこのプロジェクト。今回のテーマは、少し意外な「店主の健康」でした。
実際に参加して感じたことをお届けします!
そもそもGBSとは?
まず、「GBSって何?」という人も多いでしょう。
GBS(Gumyouji Business Street)は、横浜市南区・弘明寺を舞台に、商店街・大学・金融機関・行政などが連携して、地域の価値向上を目指すプロジェクトです。
横浜市立大学、横浜信用金庫、弘明寺かんのん通り商店街、京浜急行電鉄、横浜市などが参加し、「弘明寺という『まち』の価値を向上する」ことをテーマに活動しています。2026年度は約7週間に1回「向上会」が開催され、色々な人が参加し、地域の課題や解決策について意見を交わします。

学生も地域の一員として議論に参加し、商店主と一緒に課題や解決策を考えるということには驚きです。
「店主の健康」がテーマ?
今回参加したのは、第2回向上会。テーマは、「『店主の健康』と『まちの価値向上』のつながりを考える」でした。参加するまで、どういう人たちとどういう話をするかまったく想像がつかず、少し緊張していました。
最初に問われたのは、「店舗経営で最も困っていることは何ですか?」という、とてもシンプルな問いでした。
確かに個人店だと、店主さんって忙しく、責任も重く大変そうなイメージがあります。
「熱意」だけでは続かない
対話を進める中で印象的だったのは、「店主の熱意以外の方法で解決策を考えてください」
という条件です。話を聞いているうちに、「店主の熱意」という言葉の重さを考えるようにな
りました。

商店街では、お店を開けること自体が、商店街自体の活性化の観点からも店主の責任でもあります。体調を崩して休めば、その分の売上は失われます。「明日は店を開けなければ」と無理を重ねることが、結果として健康を損ない、店を続けられなくなることもあるかもしれません。
だから今回の向上会では、「もっと頑張る」ではなく、「店主の情熱以外の方法で続けられる商店街」をどうつくるかが、一つの大きなテーマになっていました。仕組みや地域の協力、経営の工夫、新しい役割分担など、持続可能な商店街を考えることが求められていました。
店主の不安や悩みを聞くと、店主の熱意という、ある意味精神論的なものに頼るのではなく、何か別のものが必要だと強く感じました。
印象に残ったこと
個人的に最も印象に残ったのは、商店街をお店の集まりとしてではなく、地域全体の価値として捉えていたことです。例えば、一人の店主が体調を崩して店を閉めると、常連客が来なくなる、他のお店への回遊が減る、商店街全体の雰囲気が変わるといったように、一店舗の問題が地域全体へ波及するとの指摘がありました。つまり、店主の健康は、地域経済そのものを支えるインフラの一つという考え方であるなと感じました。
健康でないとサービス・商品の質にもかかわるので、店主の健康はとても大事なテーマだし、商店街全体を一つの会社のように考える視点は、一つの店が商店街に与える影響を考えると必要なんだと感じました。
AIRという対話のルール
向上会では、Attention(注目)・Interest(関心)・Respect(敬意)という「AIR」の姿勢を大切にしていました。議論で相手を論破するのではなく、まず話を聞き、興味を持ち、尊重する。この姿勢があるからこそ、商店主も学生も率直に意見を交わせる雰囲気が生まれていると感じました。また、学生の発表に対して、大人の方々が補足や意見整理などをしてくださり、学生も対話に加わりやすい雰囲気がつくられていました。
学生の自分にも話を振ってくれたり、意見を直接聞いてくれたりする方が多く、とても話しやすかったです。自分の中でもうまくまとまっていない案でも、質問や補足により形にしてくれる手助けもありとてもありがたかったです。

ガクコエ!編集部として感じたこと
参加前は、どんな感じかわからず緊張していました。しかし、向上会がはじまると、みなさんが色々な意見を出し、学生にも、どう思いますかと敬意をもって聞いてくれて、積極的にとまでは言えなくとも、意見を出せました。
GBSで今回学んだのは、商店街活性化の前提となる「店主の健康」です。
店主が健康であること。地域で働き続けられること。無理なく商売を続けられること。そうした一つひとつが積み重なって、商店街の価値がつくられているのだと実感しました。
地域で暮らし、働く人たちの声に耳を傾け、その地域が長く続くための仕組みを考えること。その積み重ねこそが、本当の意味での「まちづくり」なのではないでしょうか。また、地域創生に興味がある人はもちろん、『大学生活で何か新しいことに挑戦したい』『授業ではできない経験をしたい』という人にとっても、GBSは魅力的な学びの場だと感じました。
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